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UI/UXデザインに関する基本の10法則
UI/UXは感覚やセンスだけで成立する領域ではなく、認知心理学、人間工学、行動科学、情報設計といった理論に裏打ちされた“原則”が存在します。たとえば、人は一度に処理できる情報量に限界があること、選択肢が増えすぎると意思決定が遅くなること、視覚的な一貫性が理解を助けること——こうした知見は、長年の研究によって体系化されてきました。
今回は、UI/UX設計において普遍的に活用できる「基本の10法則」を紹介します。これらは単なるチェックリストではなく、ユーザーの行動と心理を理解し、プロダクトを構造的に設計するための“思考のフレームワーク”です。

ヤコブの法則(Jakob’s Law)
提唱者:Jakob Nielsen
要旨:ユーザーは「他サイトと同じように」動作することを期待する。
構造
- 既存のメンタルモデルに一致するUIほど学習コストが低い。
- 逸脱は「革新」ではなく「摩擦」になりやすい。
実務応用
- ナビゲーション配置は慣習に従う。
- アイコンは意味が共有されているものを使う。
- 独自UIは価値が明確な場合のみ。

ヒックの法則(Hick’s Law)
提唱者:William Edmund Hick
- T:意思決定時間
- n:選択肢数数式
要点
選択肢が増えると、判断時間は対数的に増加。
実務応用
- メニューは階層化する。
- 初期表示の選択肢を減らす。
- 重要項目を強調。

80/20の法則(パレートの法則)
提唱者:Vilfredo Pareto
要旨
成果の80%は、原因の20%から生じる。
実務応用
- 締切を短めに設定。
- タイムボックス手法。
- MVP志向。

フィッツの法則(Fitts’s Law)
- D:距離
- W:ターゲット幅
要点
ターゲットが大きく近いほど操作は速い。
実務応用
- CTAは大きく。
- 端や角に重要ボタン。
- タップ領域は最低44px以上。

ミラーの法則(マジカルナンバー7±2)
提唱者:George A. Miller
要旨
短期記憶は7±2チャンク程度。
実務応用
- メニュー項目は7前後。
- 情報はグルーピング。
- フォーム分割。

テスラーの法則(保存則)
提唱者:Larry Tesler
要旨
複雑さは消せない。どこかに移動するだけ。
実務応用
- ユーザーではなくシステム側で処理。
- 自動化・デフォルト活用。

FBMモデル(Fogg Behavior Model)
提唱者:B. J. Fogg
- 動機が高くても能力が低いと行動しない。
- 適切なタイミングのトリガーが必要。
実務応用
- 摩擦を減らす。
- ワンクリック化。
- 適切な通知設計。

ドハティのしきい値(Doherty Threshold)
要旨
応答が400ms以内だと生産性が最大化。
実務応用
- 体感速度の最適化。
- スケルトンUI。
- 即時フィードバック。

3対1の法則(ポジティビティ比)
提唱者:Barbara Fredrickson
要旨
良好な関係にはポジティブ:ネガティブ=3:1以上が必要。
実務応用
- エラーメッセージも優しく。
- 成功体験を多く設計。
- UXコピーのトーン設計。
まとめ
| 法則 | 最適化対象 |
| ヤコブ | 期待との一致 |
| ヒック | 選択負荷 |
| フィッツ | 操作効率 |
| ミラー | 記憶負荷 |
| テスラー | 複雑性管理 |
| FBM | 行動発生 |
| ドハティ | 速度 |
| 80/20 | 優先順位 |
| パーキンソン | 生産性 |
| 3対1 | 感情設計 |

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