2022年改正以降、改正個人情報保護法第31条により第三者送信する場合は、ユーザーに明示する必要があります。Webサイトで個人情報やクッキーを取得・利用する場合、2025年時点では、法的にもユーザー信頼の面でも注意すべきポイントが明確になっています。 弊社でもお客さまの公式サイト導入経験のある、株式会社ユーザーローカルが提供する「Webサイト向けCookie同意管理バナーツール」について解説したいと思います。
概要
株式会社ユーザーローカルが提供する「Webサイト向けCookie同意管理バナーツール」、Webサイト訪問者に対して「Cookie(クッキー)を使用します/使用しますか?」という同意を求めるバナー(ポップアップ・通知)を 無料で配布されているスクリプト形式のものです。 スクリプト(JavaScript)をダウンロードして、Webサイトへ、タグを設置することで、比較的簡単に導入できます。 同意バナーは文言・配色・位置などカスタマイズ可能で、また「同意を取り下げる(オプトアウト)/同意を解除する」ボタンも用意されています。ユーザーローカルのサーバーと通信せずに動作する「オフライン設計」で、よりセキュアなスクリプトです。
主な機能・特徴
株式会社ユーザーローカルの「Webサイト向けCookie同意管理バナーツール」の特徴を整理します。
- 項目
- 内容
- 配布・価格
- 無償でスクリプトがダウンロード可能。
- 実装の手軽さ
- ダウンロード後、タグ設置(Googleタグマネージャー)で導入可能。
- 対応環境
- レスポンシブサイトで使用可能。
- カスタマイズ
- バナー文言・配色・デザインなど、利用サイトに応じて編集可能。
- 同意・拒否の管理
- 「同意する/同意しない」の選択肢あり。さらに、あとから同意を解除できる機能あり。
- Cookie発行制御
- 同意しない場合には、Google Analytics4が発行されない。
- サーバー通信なし
- ツール自体はユーザーローカルのサーバーと通信せず、スクリプト単体で動作。プライバシー面でも安心感あり。
導入の流れ
導入手順も紹介されており、以下のような流れです。- ツール配布ページより、スクリプトとマニュアルをダウンロード。
- ダウンロードしたファイル、ulcc_tag.txtなどを環境に合わせて編集。文言・配色をサイトに合わせて設定。
- Webサイトにタグ設置。Googleタグマネージャーなどを利用して、スクリプトを読み込ませる。
- 実装後、「同意する/同意しない」状態で、Cookieが発行されるかどうかをブラウザ開発者ツール等で確認。
- 「あとから同意を撤回できるボタン(オプトアウト)」が動作するかも確認。
注意点・導入にあたっての留意事項
株式会社ユーザーローカルの「Webサイト向けCookie同意管理バナーツール」は、タグ管理をGoogleタグマネージャーで行っている、もしくはまたは少数のCookieを制御するシンプルなサイト向けに適しており、タグが多数あったり、用途ごとにCookieを細かく分けて制御したい場合は、より高度な「CMP(Consent Management Platform)」の導入も検討すべきです。また、同意前に発行されるCookieがないかをきちんとチェックする必要があります。導入時には「ゼロCookieロード(同意前にCookieを発行しない)」の状態であることを確認する必要があります。また、Cookieの利用目的や第三者提供の有無、ユーザーがいつでも同意を撤回できることなどの点について、プライバシーポリシーやCookieポリシーにきちんと記載しておくことが望ましいです。EUのGDPR、米国のCCPA等のグローバル対応や多数の分析タグ、広告タグを持つサイトでは、機能が足りない可能性があるので確認が必要です。
どのようなサイト/状況に向いているか
このツールが特に適しているのは、次のようなケースです。- Webサイトが比較的シンプルで、主にGA4や基本的なCookie/タグを使っている
- Googleタグマネージャー等でタグ管理を統一しており、タグ数が少なめ。
- 国内向けサイトで、主要なターゲットが日本国内であり、グローバルなCookie規制に対する対応を必要としていない。
- 費用をかけずに「とりあえずCookie同意バナーを表示させたい/導入ハードルを低くしたい」という場合。
- 外国からのアクセスが多く、EU・北米など複数国の法律に対応する必要がある。
- 多数の広告タグ/第三者タグを設置していて、目的別に細かくCookie同意を管理したい。
- 同意前のCookie取得を完全ゼロ化しなければならない(高度なCMP要件)場合。
